2005年9月12日
DPDによる発色異常のケース
プールや浴場水の衛生は塩素(遊離残留塩素)濃度を一定濃度に保つことが重要なポイントとなっています。そして、その濃度が適切かどうかは測定してこれを確認しています。
現在はDPD試薬という塩素と反応してピンクに発色する薬品を使用します。塩素の濃度が濃ければ濃いほどピンクも濃くなり、色の濃さで塩素の濃度を決定しています。
そして、このDPD試薬は普通プール水や浴場水と混合すると殆ど瞬時に塩素と反応して発色します。水にDPD試薬を加えてから1分以内に発色する色が”遊離”残留塩素というものです。そしてその瞬時に発色した色はそれ以降それほど濃さを増しません。
さて、普通でない場合もあります。どんな場合かというと、DPD試薬を入れても瞬時には発色せず徐々に濃さを増していく場合です。こんな場合はどの時点で読み取った値が遊離残留塩素濃度なのか困ってしまいます。アンモニアや汚染物質が含まれる場合に塩素はこれらと反応して結合塩素というものを形成しこの結合塩素がこのじわじわ増色の原因です。
補給水を極端に制限したり、お客様の数が多いとこのようなことになります。DPD試薬の発色にも注意して測定してください。