2024年11月18日
pHが上がってこない
先日プール施設の方から、「25mプールのpHが低くなりすぎてしまったために、pHを上げる薬品(炭酸ナトリウム:通称 ソーダ灰)を1㎏投入したがpHが上がってこない」と言うお問い合わせをいただきました。この問い合わせを受けた瞬間に私が感じたことは「恐らく薬品の投入量が足りていない」ということで、追加の投入をお願いしました。
プールにおいてpHを上げる(下げる)薬品を投入した時に、どれだけの量でどの程度pHが上がるのか?というのは、実は単純な理論計算で導くことは出来ません。そのプールごとに、その日の状態ごとに、必要な使用量が変わってきてしまうからです。ですが、経験値としては、一般的な容量の25mプールのpHを十分に上げたいのなら最低限3~4㎏は必要となってきます。これはこれ以上必要なことも良くありますし、稀にこの量では逆にpHが上がりすぎてしまう場合があります。
ですので、弊社としてはpHを調整する際は、1㎏投入⇒30分後にpH測定⇒まだなら、追加で1㎏投入⇒30分後に....というサイクルで徐々にpHを調整していただく方法を推奨しております。
2024年11月11日
塩素剤の薬品混合事故に注意して下さい
何度もこのホームページニュースでご紹介している話題になります。数か月前に広島県の某クリニックにて消毒に使う塩素剤(次亜塩素酸ナトリウム液)と透析機器の洗浄に使う酢酸(酸性の液体)を誤って混合してしまい、塩素ガスによる異臭が発生。数十人が入院するという事故がありました。これは割と大々的にニュースとして報じられたため耳にした方も多いかもしれません。
この塩素剤に薬品を混ぜてしまったことによる有毒な塩素ガス発生するという事故。プールや浴場の業界にいると割と耳にする話になります。塩素剤(主に次亜塩素酸ナトリウム液)に酸性の薬品を混ぜてしまうのは本当に危険で、上記の事故の様に有毒な塩素ガスが多量に発生することになり、大事故に繋がりかねません。
プール・浴場においては塩素剤は日常のプール水・浴場水の消毒(衛生管理)のために必須な薬品となります。そして、同時に主に砂ろ過装置を設置の施設様になると、ろ過助剤として凝集剤(硫酸バンドやPAC)も必須となり、この凝集剤が酸性の薬品であるため、補充先を間違えてしまったりして、塩素ガスを発生させてしまうことが起きがちです。ですので、薬品補充の際には間違えたら非常に危険という認識を持って、補充前に指さし確認他、徹底した確認を行っていただきますようにお願い申し上げます。
2024年11月4日
「快泳太(固形硫酸バンド)」 終売のお知らせ
既に書面にてご案内をいたしておりますが、長年ご愛顧を頂いておりました弊社商品「快泳太(固形硫酸バンド)」を、誠に勝手ではございますが設備の老朽化等諸般の事情により終売とさせて頂く事になりました。
発売以来ご愛顧をうけ賜りましたお取引様には、ご迷惑をお掛けすることをお詫び申し上げますとともに、何卒ご理解承りますよう宜しくお願い申し上げます。
商品コード | CF-03 |
品名 | 快泳太(固形硫酸バンド) 16㎏/箱 |
製造終了日 | 2024年12月末日 |
販売終了日 | 2024年12月末日以降、在庫が無くなり次第終了 |
2024年10月28日
プールにおける逆洗排水量は本当に多いのか??
「水道代が勿体ないので逆洗回数を減らしたい」このような問い合わせをいただくことが良くあります。
その時、私は「水質のことを考えたら毎日1回逆洗しても足りない位です」と回答することが多いです。今回はそれについて少し掘り下げてみたいと思います。
ここからは弊社の標準的な使用方法等を前提としたお話になります。まず、一般的な25mスイミングプールの容量は大体350㎥と言われます。この時に弊社の標準的な設計でいくと、このプールに対して設置されるろ過機の排水過程(逆洗とろ過排水)に使われる水の量は約5.8㎥となります。逆洗は基本的には1日1回行っていただきたいものになりますので、必然的に逆洗で使用され、プールから排出される水の量は1日で5.8㎥です。
数字だけでみると5.8㎥はやや多く感じるかもしれませんが、プール全体の比率で考えると約1.7%であり、決して多い量とは言えません。また、これは実際にプールの水質の観点からも言えることで、プールには人から持ち込まれ、ろ過機では取り除けないものがあります。(過マンガン酸カリウム消費量や結合塩素)これらの対策のためには毎日一定水量の新鮮水(水道水や井戸処理水など)の補給がどうしても必要となってきており、その必要量は愛知県のプール管理マニュアルにおいては「1日につきプール容量の10%」が推奨されております。(しかし、実際にはこの10%はかなり安全をみた数値で、弊社では5%程度を推奨しています)
このことを考えた時に、1日の逆洗等による排水量は比率として2%にも満たない訳ですので、その水量は決して多いとは言えないのです。また、水質の観点から最近弊社では日本プールアメニティ協会からの推奨値である、「遊泳者1人につき、30ℓ以上の補給水が必要」をお勧めしておりますが、この場合は仮に1日で200人が遊泳したとすると、6㎥以上の補給水が必要となってきますので、このことを考えても1日の逆洗排水量は決して多い数値ではないのです。
2024年10月21日
屋外ろ過機の凍結対策について
先週の続きの様な話になります。対策として具体的に「逆洗時間を朝方に設定する」、「夜間に少しだけ水を出しっぱなしにしておく」等をして、凍結の危険性の高い明け方に水を動かしてやることが有効です。季節的にこれから気温も下がり対策が必要な時期となってきています。特に山間部などでは、早めの対策を実行しておきましょう。
2024年10月14日
冬設定への変更をご検討ください
今年も残り2ヶ月を切ってきて、季節的に冬が近づいてきております。冬になると気温が低くなってきますので、今までの温度設定では期待通りに温まらないということが起こりやすくなります。対策としては、設定温度を上げる、昇温運転時間を早くするなどの、ろ過装置の【冬支度】にすることになります。近年の傾向として、突然、急激に冷え込むということがあります。早めの設定変更をご検討ください。
2024年10月7日
今後ともよろしくお願い致します
本日10月7日は株式会社三協の創業日になります。本日をもって創業64年を迎えます。
今後とも変わらぬご愛顧いただきますよう、よろしくお願い致します。
2024年9月30日
プールの遊離残留塩素濃度は必ず0.4㎎/ℓ以上を確保してください
プールの衛生管理上、当たり前の話で、このニュースを読んでおられる方は「何を今更」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、弊社の作業員が水質分析のための採水に訪れた際に、遊離残留塩素濃度が0.4㎎/ℓ未満になっていることは割とある話です。プールには常に人から病原菌などが持ちこまれるリスクがあり、衛生管理が疎かだと、プールが感染症拡大の原因となってしまう危険性があります。当たり前の話こそ、実践は意外と難しいもの。今一度、認識をしっかりもって衛生管理に努めていただければ幸いです。
2024年9月23日
みずすましセミナーのお知らせ
開催日は10月9日です。本年最後の開催となります。レジオネラ属菌への対応を中心とした、浴場の衛生管理のポイントについてお話させていただきます。定期点検など弊社の定期サービスをご利用になられているお客様は無料で受講いただけます(要予約)。詳細は当社ホームページでご確認ください。少人数制ですから各施設様の個別のご相談にも応じさせていただくことが可能です。
2024年9月16日
透き通ったプール水を保つには?
少し前の話ですが、中学校の先生から「プール水が濁っている」と連絡をいただき、急行しました。見ると確かにどんよりしています。濁度を測定すると1度で、プール水の水質基準の2度よりは低いのですが、ちょっと高いです。確認すると、プール水をろ過して濁りを取り除き、プールに戻している循環ろ過装置は運転していますが、ろ過した水の濁度を測定すると濁っています。つまり濁りを取り除けていないことが分かったので、ろ過助剤(凝集剤)の注入量を調整した所、ろ過水が透明になりました。
これで明日の朝は25m先までピッカピカに見ることが出来ます。プールの管理でお困りの節はお気軽にご相談ください。衛生的、快適な、そして安全なプール水を保ちましょう。
2024年9月9日
次亜塩素酸ナトリウム液の必要量
先日、お客様より、「浴場の高濃度塩素消毒をしたいのだが、どれくらいの次亜塩素酸ナトリウム液を添加したら良いのか?」と質問がございました。
この場合は、先ずは浴槽容量(㎥)と目標とする濃度(㎎/ℓ)によって、当然必要量が変わってきますのでそれをお聞きします。その後はこのHPニュースでも何度も出て来ていますが割と単純な計算で必要量の計算が出来ます。これを弊社では1・1・7(いち・いち・なな)と呼んでおります。
少し詳しく説明すると、1㎥の水(お湯)の遊離残留塩素濃度を1㎎/ℓにしたい場合は、12%次亜塩素酸ナトリウム液が7㎖必要ということで、これの容量や目標濃度が変わる場合は単純に掛け算をするというものです。
例えば、10㎥の浴槽容量のお湯の遊離残留塩素濃度を5㎎/ℓにしたい場合は、10×5×7=350㎖の次亜塩素酸ナトリウム液が必要と計算できます。
この計算は日常管理でも使用できますので、是非、有効活用ください。
2024年9月2日
試験管の黒ずみについて
先日、お客様より「簡易残留塩素測定器の試験管が黒ずんでしまった。これを落とす方法はありますか?」とのお問い合わせがありました。
これに関しては「試験管は消耗品であり、弊社内のものも黒ずんでしまったら取り換えています。ですので、黒ずみが目立つ場合は買い替えをお願いします」と回答させていただきました。
塩素測定で使用するDPD試薬は、その薬品成分により、溶け残り等があったりすると空気と反応して黒く着色します。これが積み重なると試験管の黒ずみにつながります。完全に防げるわけではありませんが、試験管を使用の度に水道水など清浄な水でよく洗っていただくことで黒ずみの発生をある程度、予防できるかと思います。
2024年8月26日
来年に向けた作業手順の整備をお願い致します。
8月末、まだまだ暑い日が続いておりますが、シーズンプールや学校プールなどはシーズンオフの時期になります。既にろ過装置を停止したという学校様・施設様もいらっしゃるかもしれません。
シーズンプールはシーズンしか動かさないものになるため、毎年、学校様・施設様から「久しぶりで操作方法が分からない」、「取扱説明をして欲しいという」という声が非常に多いです。弊社のそのような声には出来る限り対応をしておりますが、限度もございます。特にろ過装置の日常的な取扱いは学校様・施設様で行っていただくほかないものになります。
ですので、記憶の新しい今の内に作業手順の整備をしていただくことをお勧めいたします。来年のプール管理がスムーズになるか否かは実は『今』にかかっているのかもしれません。
2024年8月19日
みずすましセミナーのお知らせ
今回は浴場の衛生管理についてお話させていただきます。開催日は9月11日となります。昨今耳にする機会が増えてきました、レジオネラ属菌の対策について、を中心に衛生管理のポイントなどを分かりやすく・丁寧に解説いたします(要予約)。詳細は当社ホームページでご確認ください。定期点検など弊社の定期サービスをご利用になられているお客様は無料で受講いただけます。
2024年8月12日
遊離残留塩素濃度の値が異なる・・・
時折、プール水の塩素(遊離残留塩素濃度)の測定値が、お客様の測定値と弊社社員のそれで異なることがあります。(ちなみに、測定器は共にDPD式です。)
この原因は色々なことが考えられますが、実際の事例に『お客様の測定器の試験管が経年劣化で黒ずんでいて、これにより読み取りの誤りが生じていた』ということがありました。
ですので、試験管の汚れが目立つ場合は新しい試験管に交換しましょう。他に、試薬の劣化、比色列の退色があります。定期的に更新するのが良いでしょう。
2024年8月5日
来月1日(9月1日)は防災の日になります。(弊社の緊急用浄水装置EFシリーズについて)
来月9月1日は防災の日です。災害による被害を少なくするために防災に関する知識や意識を高めることを目的とされております。また、9月1日からの1週間は防災週間として各地で防災訓練、啓発活動が行われております。
弊社の緊急用浄水装置EFシリーズは、学校、庁舎、市民センター、病院等に納入させていただいております。
有事が起きて装置を稼働させることが無いことを切に願いますが、実際に起きてしまったときに装置の運転方法が分からない、装置が故障していて使えない等ということの無いように、毎年の防災の日には訓練の一環として、装置を稼働させて確認、整備されることをお勧めいたします。
取扱いでお気づきの事がございましたら、弊社ホームページ、またはサービスセンターまでお問い合わせください。
2024年7月29日
朝一番の透明度が重要
「遊泳後に25m先が見えない」。とあるプール施設のお客様よりこのような話をいただきました。
この場合、どの程度見えないのかにもよりますが、基本的な回答としては「遊泳後に25m先までスカッと見えないのは特に異常ではない可能性が高い」となります。プールろ過装置では十分な水量を浄化してプールに戻す(循環)ことを行っておりますが、流石に遊泳者人数がピークの時に瞬時に完全に透明度を回復させることは難しいです。ある程度はリアルタイムでキレイにしつつ、最終的には営業終了後~翌朝までの長い時間をかけて完全にキレイにしきるというプロセスになります。
そのために、朝一番の透明度は重要となります。数時間遊泳者がいなかった(汚れが持ち込まれなかった)朝一番の時点で「25m先が見えない」ということになると、ろ過が上手くいっていない可能性が考えられます。ですので、【朝一番に25m先まで見える】ことを毎日確認していただくことが日常点検として非常に有効です。
2024年7月22日
夏季休業案内
今年の弊社の夏季休業は8月10日(土)~12日(月・祝)・14日(水)・15日(木)・17日(土)・18日(日)となります。8月11日~の週は13日(火)・16日(金)の2日間のみ営業となります。通常営業ではございますが、お電話繋がりにくい可能性もございますので、何卒、ご理解の程よろしくお願い致します。
弊社ろ過装置のトラブルでの緊急対応が必要な場合は三協サービスセンターにお電話いただき、メッセージを入れてください。必ず、施設名称と電話番号を入れてください。
2024年7月15日
余った塩素剤はどうするべきか??(シーズンプール・学校プール)
夏真っ盛り、夏休みも近づいてまいりましたので、早い学校さんですと既に今シーズンのプールを終了しているかも知れません。
この時期にシーズンプールで良くある問題に、塩素剤が余ってしまった、どうしたら良いのか??というものがあります。回答ですが、基本的にはろ過装置の運転を継続して、使い切るのが良いです。液体の塩素剤(次亜塩素酸ナトリウム液)は劣化して来年度は使用出来ないので、本年度中に使い切ってしまった方が良いです。
固形の塩素剤は装置内に残留しているもの、封を切ってしまったものは使い切るようにしてください。封を切っていないものは来年度も使用可能ですが、残しておくとどんどん繰り越されて、最終的に不良在庫になる危険性もありますので、可能な限り使い切ることをお勧めします。もし、封を切っていない固形の塩素剤を保管する場合は、封を切っていない塩素剤でも袋を透過する塩素ガスがろ過装置の腐食の原因となります、機械室とは別部屋で保管するようにして下さい。
2024年7月8日
固形塩素剤を使用している場合のpHについて
先日、首題のように固形塩素剤(トリクロロイソシアヌル酸)を使用しているプール施設様よりpHについての相談がありました。経験上、トリクロロイソシアヌル酸が主成分の固形塩素剤をお使いのプール施設様からのpHに関する相談は多いです。というのも、上記、固形塩素剤を使うとプール水のpHが下がりやすいことによります。上記塩素剤は塩素剤自身が酸性(pHを下げる性質)であり、また、プール砂ろ過で使用される一般的な凝集剤も酸性であるためにプール水のpHの低下が激しくなります。
対策としては先ずは
2024年7月1日
プール水の循環は目皿で調節!!
プールの循環ろ過装置の春の点検で伺った小学校の先生に「プールの一方の飛び込み側付近だけに藻が生えるんだよ!」とご相談を戴きました。
見ると機械室、つまりポンプから一番遠い所です。「藻が生える側の(プール循環ろ過水の)吹き出し口の、目皿の開度を大きく、ポンプに近い側の目皿の開度は小さく、など調節してください。」とお話ししました。ポンプに近い方が水圧が高く、遠いと水圧が下がってしまいますから、目皿の開度で吹き出し流量を調節して、万遍なく塩素を注入されたろ過水を行きわたらせる必要があります。