2005年1月10日
ゆず湯に注意!!
昨年の冬至の頃、弊社の技術員がある浴場施設へ点検に伺いました。その施設で設置されております塩素の自動注入機を見ますと、残留塩素濃度の表示値がゼロになっております。不思議に思い発色式のDPD残留塩素計で測定したのですが、やはりゼロでした。ではということで結合塩素を測定したところなんと2.0mg/Lという高濃度であり、「これは浴槽水が汚いのだ!」と思いました。更に塩素注入機は注入しっぱなしでますます“変”なのです。先ずはビーカーに浴槽水を採って匂いをかいでみるとすっぱそうな匂い。そこで施設の方に確認したところ、浴槽内でゆずをつぶし、ゆず湯として使用したとのこと。除塵器スクリーン内にはゆずの種がたくさんありました。
この施設では、ゆず湯にしたため、ゆずの成分が塩素と反応して結合塩素になってしまい、浴槽水中の遊離残留塩素濃度を保てなくなっていたということですね。これでは、厚生労働省の基準である0.2〜0.4mg/Lの遊離残留塩素濃度を保つことは難しくなります。
そこで浴場施設管理者の方にお願いがあります。浴槽水中の遊離残留塩素濃度を保つためにはゆずや入浴剤(一部塩素に反応しない成分もあります)などの使用は避けたほうがよいでしょう。どうしてもという場合は、「毎日換水する」「浴槽を良く洗う」「毎週の消毒をしっかりする」などして、レジオネラ属菌が発生しないように注意して管理をすることが必要です。