2022年4月11日
レジオネラ属菌対策 高濃度塩素洗浄のお薦め ~実践編⑤「ラスト 高濃度塩素が残った場合の後じまい」~
先週は汚れが酷い場合に非常に高い塩素で洗浄を行うため、中和や測定のために用意すべきものといったようなお話をさせていただきました。
今週は先週からの続きで、高濃度塩素を測定する方法と中和と排水後の対応についてお話します。
この長かった高濃度洗浄シリーズもいよいよ最終回です。
それでは高濃度塩素を測定してみます。しかし、そのためには希釈する必要があり、希釈倍率というものを覚えておくと良いです。例えば(高濃度塩素が残留する)浴場水を1㎖採水して、無塩素水で希釈して10㎖にした場合は、10÷1=10倍希釈になります。これは最終的な液量からサンプル水量を割ることで計算出来ます。2㎖を10㎖にしたら、10÷2=5倍希釈、2㎖を20㎖にしたら20÷2=10倍希釈といった具合です。
色々な倍率にすることが出来ますが、計算等が簡単なので10倍希釈をお勧めします。
では、10倍希釈をしたとして、その濃度はどうなるかというと
10倍に希釈して1.5㎎/ℓなら1.5㎎/ℓ×10=15㎎/ℓということになります。これで高濃度の塩素濃度も測定が出来ます。
塩素濃度が計算出来たら次に中和剤(ハイポ)の量を計算します。これは以下の通りです。
中和剤(g)の量=浴槽容量(㎥)×残留塩素濃度(㎎/ℓ)
今回の場合、中和剤ハイポの使用量は、2㎥×15㎎/ℓ=30gです。
お料理用の秤で良いので、計り取ってバケツなどで一旦、水に溶かしてください。溶かしたものを浴槽水中に投入して、良く混ぜ30分程循環運転すると遊離残留塩素濃度が下がりますから排水してください。
これで新たな使用に供することもできますが、ここでは、念を入れます。
浴槽に新しく水(湯でなくても良いです)を張って、循環運転を行い、浴槽水の遊離残留塩素濃度を測定します。
検出されない場合は、本例の場合、次亜塩素酸ナトリウム液を30㎖入れてください。
測定結果が2㎎/ℓであれば中和量が適正であったので、ここで一度ろ過機の手動逆洗を行っていただくのが良いでしょう。
これで終わりです。
また、測定結果が0㎎/ℓであった場合は、遊離残留塩素濃度が検出されるまで30㎖ずつ次亜塩素酸ナトリウム液を加えてください。
これで過剰な中和剤は無くなりました。同様手動逆洗をしてろ過機を洗浄して終わりとします。