2024年10月28日
プールにおける逆洗排水量は本当に多いのか??
「水道代が勿体ないので逆洗回数を減らしたい」このような問い合わせをいただくことが良くあります。
その時、私は「水質のことを考えたら毎日1回逆洗しても足りない位です」と回答することが多いです。今回はそれについて少し掘り下げてみたいと思います。
ここからは弊社の標準的な使用方法等を前提としたお話になります。まず、一般的な25mスイミングプールの容量は大体350㎥と言われます。この時に弊社の標準的な設計でいくと、このプールに対して設置されるろ過機の排水過程(逆洗とろ過排水)に使われる水の量は約5.8㎥となります。逆洗は基本的には1日1回行っていただきたいものになりますので、必然的に逆洗で使用され、プールから排出される水の量は1日で5.8㎥です。
数字だけでみると5.8㎥はやや多く感じるかもしれませんが、プール全体の比率で考えると約1.7%であり、決して多い量とは言えません。また、これは実際にプールの水質の観点からも言えることで、プールには人から持ち込まれ、ろ過機では取り除けないものがあります。(過マンガン酸カリウム消費量や結合塩素)これらの対策のためには毎日一定水量の新鮮水(水道水や井戸処理水など)の補給がどうしても必要となってきており、その必要量は愛知県のプール管理マニュアルにおいては「1日につきプール容量の10%」が推奨されております。(しかし、実際にはこの10%はかなり安全をみた数値で、弊社では5%程度を推奨しています)
このことを考えた時に、1日の逆洗等による排水量は比率として2%にも満たない訳ですので、その水量は決して多いとは言えないのです。また、水質の観点から最近弊社では日本プールアメニティ協会からの推奨値である、「遊泳者1人につき、30ℓ以上の補給水が必要」をお勧めしておりますが、この場合は仮に1日で200人が遊泳したとすると、6㎥以上の補給水が必要となってきますので、このことを考えても1日の逆洗排水量は決して多い数値ではないのです。