2021年5月10日
有機物以外に過マンガン酸カリウム消費量を高くする物質
(先週の続きになります)
過マンガン酸カリウム消費量は有機物が多いと高い値となるとお話しましたが、先日、処理した地下水をプールの補給水に利用しているお客様より、プール水よりも補給水の過マンガン酸カリウム消費量が異常に高いというお話をいただきました。普通に有機物だと考えると補給水の方が高いというのは考え辛い話です。
実は、この施設様では処理した後の地下水の遊離残留塩素濃度がどうしても高くなってしまうので、チオ硫酸ナトリウム(通称:ハイポ 還元剤)で塩素を中和していました。そして、この還元剤であるハイポが過マンガン酸カリウム消費量を高くした原因だったのです。
過マンガン酸カリウムは酸化剤ですので、還元剤であるハイポ等が残留しているサンプルの過マンガン酸カリウム消費量を測定すると異常に消費され、有機物が高い?と誤認してしまうことがあります。
これは、プールでも採水時に遊離残留塩素濃度が高いからと、パイポを投入して直ぐの水をサンプリングすると同様の異常が発生する可能性があります。この異常を防ぐにはしっかり遊離残留塩素濃度があることを確認したプール水をサンプリングすることになります。